IT業界は未経験でも働くことが可能なぐらい敷居は低いです。
技術の進歩に対して常に人材不足だからです。
かといって誰もが向いているとは決して言えないくらい向き・不向きがハッキリします。
私はIT業界で約10年間、エンジニアとして従事していました。
その経験からどういった人がIT業界に向いているのか5つの特徴にまとめてみました。
IT業界に向いている人の5つの特徴

- わからないことや確認事項をちゃんと進められる
- なぜなぜ分析から仮説をたてて検証し解決できる
- 業務時間外(プライベート)でも勉強できる
- 資料作成や地味な調査や確認作業が苦と感じない
- できない(わからない)課題に対して思考をまわせる
IT業界に向いている人の特徴①:わからないことや確認事項をちゃんと進められる
IT業界のイメージとしてパソコンの前でキーボードを叩いていると思うかもしれません。
誰かと話す機会も少ないからコミュニケーション能力がなくとも問題ないとも思うかもしれません。
実際は他人とのコミュニケーション能力は絶対に必要です。
仕事を進めていくと、わからない問題点、認識の齟齬(そご)、仕様変更といった突発的な壁とかならずぶち当たるんですよ。
それらの対応策はいずれも他人とのコミュニケーション能力が必須と言われる理由です。
以下はそれぞれ実際にIT技術者によくある失敗談を紹介します。
わからない問題点をそのまま放置し、勝手に仕事を進めてしまう。
わからない問題点を誰かに相談・確認せず、自分の知識で勝手に仕事を進めてしまう。
Aさん「データベースの値はNull(ヌル)だと思っている」
Bさん「データベースの値はスペースだと思っている」
※Nullはクォーテーションの間に値が存在しない、スペースはクォーテーションの間に長さの存在する値が存在すること。
AさんとBさんの頭の中でそれぞれ認識のすれ違い(齟齬)が発生しています。
この認識の齟齬を解消せず仕事を進めてしまう。
仕様では郵便番号と住所は手動で入力する形式で進めていた。
しかし実は直近の仕様変更で郵便番号は郵便番号の検索することで、住所まで自動出力して欲しい。との変更があったが確認していないまま進めてしまっていた。
上記の3例は下手するとすべてやり直し(ロールバック)になる可能性があります。
工数が無駄になりプロジェクト管理の全体スケジュールにも遅延が発生してしまうのです。
いずれの3例も自分だけで仕事を進めるのではなく、誰かと相談(コミュニケーション)をとっていれば事前に回避できた問題ばかりです。
そういった突発的な問題点は往々にして発生し、コミュニケーション能力は必要不可欠と言えます。
IT業界に向いている人の特徴②:なぜなぜ分析から仮説をたてて検証し解決できる
なぜなぜ分析(なぜなぜぶんせき)とは、ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き起こした要因(『なぜ』)を提示し、さらにその要因を引き起こした要因(『なぜ』)を提示することを繰り返すことにより、その問題への対策の効果を検証する手段である。トヨタ生産方式を構成する代表的な手段の一つである。
引用:なぜなぜ分析wiki
問題点が発生時、「なぜ?」を繰り返し深掘りして原因と対策をする手段をなぜなぜ分析といいます。
順風満帆に問題が一切発生せずうまくいくことなんて100%ありません。
ベンダーから用意されたマニュアルが間違っていたり、読み替えが必要だったり、自分の知識外とさまざまな問題が発生します。
その問題に対して「わかりません。教えてください」と聞くのは簡単です。
しかしそれは問題に対して他人に丸投げし、自分は成長することはできません。
なぜ問題が起きたのか?その問題はどうすれば解決するのか?
仮説を立てて(仮説が)正しいかどうか検証する力(自走)はかならず必要となってきます。
仮説⇒検証(実行)⇒結果⇒改善(PDCAサイクル)を繰り返しがいちばんの近道なのです。
IT業界に向いている人の特徴③:業務時間外(プライベート)でも勉強できる
10年前は自社環境やデータセンターに物理的にサーバを構築するオンプレミス環境が主流でした。(過去)
ここ数年ではインターネット環境下でサーバをネットワーク経由で構築するクラウド環境が主流となっています。(現在)
個人でもGmailでクラウドメール(Webメール)、iphoneのiCloud 経由でのデータバックアップサービス(オンラインストレージ)と生活に溶け込んでいますよね。
わかりやすく10年前の話をしましたが、現代社会では数年単位で環境が変わっていきます。
一般家庭だと最近ではAI(人工知能)の『ペッパー君』がソフトバンクの店舗に置かれています。
VR(Virtual Reality)は専用ゴーグルをつけることで仮想空間でありながらリアルな体験を楽しめます。
IT業界は日進月歩で技術が進歩しているのです。
業務時間外(プライベート)でも勉強をしないと知識が古いままとなってしまいます。
一般家庭や一般企業ではITサービスを受ける側ですが、技術者(エンジニア)はITサービスを提供する側です。
最新の技術を知っておかないとITサービスを提供するのは難しいです。
普段から自らサーバや環境を整え検証や勉強は必須と言えます。
それが自らの力となり年収も上がっていきます。
下記の元ブラック企業の社長のブログでも同様のことが書かれています。

IT業界に向いている人の特徴④:資料作成や地味な調査や確認作業が苦と感じない
「(カカタカタカタ…)ターン!さぁ、ここから俺のターンだぜ(飴ちゃんペロリ)」
映画の味方のハッカーが暗号コードやパスワードを解除した時によく見る光景です。
実際の現場はそんな派手で華やかな見せ場は皆無です。
私はインフラエンジニアとして8年間、働いてきました。
項目の確認や資料作成、〇〇の調査といった、はっきり言って地味な作業ばかりでした。
「設計書の項目があっているか確認して。間違っていたら修正して」
「作業用の手順書(Excel)作って」
「Firewallのポリシー設定確認して」
「この時間、アクセスログを確認して」
地味な作業はルーチンワークとして当たり前のように発生します。
私は特に苦に感じませんでしたし、意外と重要な作業だったりすんですよね。
IT業界に向いている人の特徴⑤:できない(わからない)課題に対して思考を巡らせられる
仕事しているとかなり難しいレベルの要求や課題をされる時があります。
例えば「空を飛びたい」と要求されたとします。
そこで「無理です。」と突っぱねるよりも、まずは頭の中で思考をまわすことです。
- タケコプターならば可能だけど、所詮は漫画の世界で非現実的
- 水圧で空を飛ぶフライボードを使えば水上で飛ぶことは可能
- 自身の体に風船をたくさん付ければ浮遊は可能
- 逆バンジーならば一時的に飛ぶことは可能
- 逆バンジーならば一時的に飛ぶことができます。
- 飛行機(媒体)を手段として使えば叶えられます。
「空を飛びたい」という無理難題でも、思考を巡らせることができますよね。
現状とゴールまでのギャップを今までの自分の培ってきた知識と経験でどう埋められるか考えることができる人はかなりの強みとなります。
現実とゴールギャップを完全に0にすることは不可能かもしれません。
違う手法や代替え案でどこまでギャップを縮められるかを模索する機会は多いです。
まとめ:IT業界に向いている人(エンジニア)の5つの特徴
本記事でIT業界に向いている人(エンジニア)の特徴を5つ紹介してきました。
ここでいったんまとめてみます。
番号 | 特徴 | 備考(簡易) |
① | わからないことや確認事項をちゃんと進められる | 自分だけで仕事を進めていくと突発的な問題点は往々にして発生する。 その問題点を向き合うコミュニケーション能力は必要不可欠。 |
② | なぜなぜ分析から仮説をたてて検証し解決できる | なぜ問題が起きたのか?その問題はどうすれば解決するのか? 仮説を立てて(仮説が)正しいかどうか検証する力(自走)はかならず必要 |
③ | 業務時間外(プライベート)でも勉強できる | IT業界は日進月歩で技術が進歩している。 業務時間外(プライベート)でも勉強をしないと知識が古いまま。 サービスを提供する側のエンジニアは常に勉強する必要があり |
④ | 資料作成や地味な調査や確認作業が苦と感じない | 項目の確認や資料作成、〇〇の調査といった、地味な作業は多い。 しかし地味作業はルーチンワークであり重要だったりする。 |
⑤ | できない(わからない)課題に対して思考をまわせる | かなり難しいレベルの要求や課題をされる時、 無理です。と突っぱねるのではなく思考を巡らせる。 |

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